#169 『衣料品店/アパレルショップ』や『服屋/洋服屋』は英語で何と言う?

オンライン和英辞書や英語学習サイトの英語訳を訂正・修正・補足して解説する『Eiton English Vocablog』。第169回は「衣料品店/アパレルショップ」「服屋/洋服屋」の英語についてです。

◆当ブログはアメリカ英語とイギリス英語が対象です。その他の英語では表現が違うことがありますのでご注意ください。

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↑衣服を売るお店の「アパレルショップ」。英語でも apparel shop と呼んでいい?


まず、「衣料品店/アパレルショップ」「服屋/洋服屋」はオンライン和英辞書や英語学習サイトでどう英語に訳されているのでしょうか?

見つかった訳語とその訳語を載せた辞書・サイトをアルファベット順に記載します。

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「衣料品店/アパレルショップ」
インターネット上の英語訳
1. apparel shop/store
2. clothes shop/store

3. clothing shop/store
「服屋/洋服屋」
インターネット上の主な英語訳
1. boutique
2. clothes shop/store
3. clothier
4. clothing shop/store

5. dressmaker('s (shop))

6. tailor('s (shop))
訳語を載せた辞書・サイト
bab.la(辞書)
CUERBO(辞書)
DMM英会話なんてuKnow?
英辞郎 on the WEB(辞書)

Glosbe(辞書)
goo(辞書)
Imagict(辞書)
実用・現代用語和英辞典(辞書)
Linguee(辞書)
教えて!goo
Reverso Context(辞書)

Weblio(辞書)
WebSaru(辞書)
Yahoo!知恵袋
※主なオンライン和英辞書とGoogle検索結果(キーワード:「衣料品店 英語」「アパレルショップ 英語」「服屋 英語」「洋服屋 英語」)の1ページ目に表示されたサイトを中心に調べています(◎本日以降に該当ページの内容が更新されている可能性があります)。検索語単体の英語訳の正誤を確認するのが目的のため、検索語を含む例文などは調べていません。

ご覧のとおり、どちらの訳語にも clothes shop/store と clothing shop/store が含まれています。そして一部の辞書だけが「衣料品店/アパレルショップ」の英語に apparel shop または apparel store を載せていましたが、「アパレルショップ」は和製英語なのでしょうか?

以下では、これらのお店を意味する日本語の違いも含め、「衣料品店/アパレルショップ」や「服屋/洋服屋」の英語について分かりやすく説明します。

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「衣料品店」「アパレルショップ」「服屋」「洋服屋」の違い

まず、衣服を売るこれらのお店は主な日本語表現辞典や百科事典で次のように説明されています。

衣料品店・・・・・・・衣料を主に取り扱う小売店。服屋。
アパレルショップ・・・洋服を売っている店のこと。
服屋・・・・・・・・・衣服を売っている店や場所を表す語。
洋服屋・・・・・・・・洋服の仕立てや販売を行う店のこと。

確かに和服だけを売っているお店を「アパレルショップ (またはアパレルストア)」や「洋服屋」とは呼ばないと思いますが、衣服を売っているお店でもカジュアルな既製服を売る大手有名チェーン店などは「服屋」とは普通呼ばないと思います。また、「服屋/洋服屋」はお店だけでなくその職業を指すこともあると思います。

その他、衣服を売るお店の日本語として「洋服店」「洋品店」「衣料店」「衣屋」「仕立て屋」「テイラーショップ」「ブティック」などを載せているウェブページもあります。

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↑「ねえ、こんなに呼び方あるけどここみたいなお店は何て呼ぶの?」「えーと...」

「衣料品店/アパレルショップ」は英語で何と言う?

では、「衣料品店」や「アパレルショップ」は英語で何と言うのでしょうか?

他の商品も売るデパートや総合スーパーなどの普及によって大衆向けの既製服を専門に売るこれらのお店はもうない地域もあると思いますが、アメリカでは clothing store、イギリスでは clothes shop が一般的な表現です(shop と store の違いは #1 『お店』の shop と store の違いは何? で説明しています)。

apparel という言葉はアメリカでは日本語の「アパレル」や「衣料品」と同じく商品としての衣類に使うのが普通で、売り場や広告で men's apparel (紳士服)、women's apparel (婦人服)、golf apparel (ゴルフウェア) のように使われることはあるものの、お店自体を apparel store や apparel shop と呼ぶことは普通ありません。一方、イギリスでは apparel は古風な表現のため今は普通使われません。

なお、clothing という単語は apparel と違ってカタカナにすると5文字以上で少し言いにくいだけでなく、別の意味に誤解される可能性があるのでカタカナでは使わないほうがいいでしょう。

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↑「あたしクロージングストアで働いてるんだ」「閉店しちゃうんだ...」

「服屋/洋服屋」は英語で何と言う?

では、「服屋」や「洋服屋」は英語で何と言うのでしょうか?

どちらも単に「(既製の)服を売っているお店」という意味であれば今説明した clothing store (アメリカ) や clothes shop (イギリス) になりますが、主に紳士服を注文で作る「仕立屋」という職業であれば tailor (テイラー/テーラー)、その人のお店はアメリカでは tailor shop、イギリスでは tailor's (shop) と表現するのが普通です。一方、婦人服や子供服を仕立てる人は dressmaker (ドレスメーカー) です。

この tailor と dressmaker は男女どちらにも使え、tailor には女性形の tailoress もありますが、「女性の仕立屋」と言いたい場合は female tailor と表現するのが今は普通です。

その他、boutique は流行の服やアクセサリーを売る小さなお店またはデパート内の売り場で、先ほどの「ブティック」はこれをカタカナにしたものです。clothier は服や生地の製造・販売をする人またはお店として今でも存在するようですが、一般的ではないためこの言葉を見聞きすることはほとんどないと思います。

以上、お役に立てる内容だったでしょうか? これで衣服を売るお店の英語表現の違いが分かりやすくなったかもしれません。

お店を「アパレルショップ」、その店長を「ストアマネージャー」と表現している日本語のウェブページもありますが、「ショップ」なら「ショップマネージャー」と呼んだほうがいいと思います...

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