#139 「休憩/休息」の英語は break それとも rest?

オンライン和英辞書や英語学習サイトの英語訳を訂正・修正・補足して解説する『Eiton English Vocablog』。
第139回は「休憩/休息」の英語についてです。

注意 言葉は時代、状況、文脈などによって変化する場合があることを留意してお読みください。また、以下の内容はアメリカとイギリス以外の英語圏には該当しない場合があります。

Rawpixel / Rawpixel.com

↑昼の「休憩時間」をサッカーゲームに熱中して過ごす同僚たち。(ん? この人たち本当に「休憩」してます?)


まず、似ている言葉の「休憩」「休息」はオンライン和英辞書や英語学習サイトでどう英語に訳されているのでしょうか?

見つかった主な訳語とその訳語を載せた辞書・サイトをそれぞれアルファベット順に記載します。

「休憩」
インターネット上の主な英語訳
1. break
2. intermission
3. interval
4. recess
5. repose
6. respite
7. rest
8. time out
「休息」
インターネット上の主な英語訳
1. break
2. recess
3. relaxation
4. relief
5. repose
6. respite
7. rest
8. time out

訳語が見つかった辞書・サイト
bab.la(辞書)
CUERBO(辞書)
DMM英会話なんてuKnow?
英語部
英語ぷらす

英辞郎 on the WEB(辞書)
Glosbe(辞書)
goo(辞書)
Hapa Eikaiwa 英語学習コラム
Imagict(辞書)

実用・現代用語和英辞典(辞書)
Linguee(辞書)
MYスキ英語
NativeCamp.Blog
RareJob English Lab
Reverso Context(辞書)

Weblio(辞書)
WebSaru(辞書)
※主なオンライン和英辞書とGoogle検索結果(キーワード:「休憩 英語」「休息 英語」)の1ページ目に表示されたサイトを中心に調べています(◎本日以降に該当ページの内容が更新されている可能性があります)。検索語単体の英語訳の正誤を確認するのが目的のため、検索語を含むフレーズや例文などは調べていません。

ご覧のとおり、どちらの訳語にも breakrecessrest などが含まれています。これらは本当に「休憩/休息」を意味するのでしょうか? また、「休憩する」や「休息する」はどう表現すればいいのでしょうか?

以下では、今回調べた辞書・サイトで説明が見られなかった breakrest の本当の違いを中心に、「休憩/休息」の英語について分かりやすく説明します。

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Break ≠ 休憩

まず、break と「休憩」は意味が違います。「休憩」とは「休んで憩うこと (=仕事やその他の活動を一時休止してくつろぐこと)」やそれをする時間のことですが、break には後半の「憩う」の意味がありません。

break は単に短い「中断(時間/期間)」や「合間」のことで、例えばデスクワークで運動不足と感じている人はその中断時間に「憩う」ことをせず筋トレなどをしてもいいのです。このように break が必ずしも「休憩」を意味しないことは、次の主な英英辞書の説明を見ても分かります。

A break is a short period of time when you have a rest or a change from what you are doing, especially if you are working or if you are in a boring or unpleasant situation.
- Collins English Dictionary
A pause or interval, as from work: a coffee break.
- The Free Dictionary
a pause from doing something (as work)
- Vocabulary.com

1つめの辞書では何かの最中(特に作業中や退屈/不快な状況)に "a rest or a change" (休むことまたは気分転換) をするための短い時間が break だと説明しており、rest のほうが「休憩」を意味するように思えます。2つめと3つめの辞書では「休むこと」や「気分転換」などの理由を一切挙げておらず、単に仕事中などの pause (中断) または interval (合間) が break だと説明しています。

つまり、私たちが「ブレイクタイム」や「ブレークタイム」と表現することもある break (time) は「休憩(時間)」ではなく、そのブレイク中は冒頭の写真のように全く休まずゲームなどに熱中してもいいのです。

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↑「今からランチブレイクか?」「ああ、急いでメシ食ってすぐにバスケだ」

Rest は本当に「休憩」よりも「休息」に近い言葉?

さて、今回調べた辞書・サイトの中には break が「休憩」で rest はどちらかというと「休息」に近いと説明している英語学習サイトが多くありましたが、break が「休憩」でないことは今の説明でもう明らかです。では、先ほど「休憩を意味するように思える」と説明した rest は本当に「休息」に近い言葉なのでしょうか? いくつかのウェブサイトではこの2つの日本語の違いを次のように説明しています。

休憩: 仕事や運動をやめて一時的に(短時間)休むこと。
休息: 仕事や運動をやめて疲れを癒すために(長時間)休むこと。

先ほどの1つめの英英辞書では "a rest or a change" (休むことまたは気分転換) をするための短い時間が break と説明されていたことから、rest が短時間の「休憩」にも使えることが分かります。

実際、従業員に休憩を与える義務を規定した文書では、「休息」するには短すぎる10分休憩でも rest を使って "a 10-minute rest break" (休むための10分間ブレイク) と表現しています。つまり、rest は長さに関係なく単に「休み」のことで、rest break (休憩用のブレイク) 以外のブレイクの種類には lunch break (ランチブレイク)、snack break (間食用のブレイク)、coffee break (コーヒーブレイク) などがあります。

rest は正確には単に「(疲れる)活動をやめて休むこと」という意味で、寝たりボーっとしたり読書したりすることなどに該当します(つまり rest も厳密には「憩う」ことまで意味しませんが、「休憩」という日本語も単に「休み」の意味で使うことが多いと思います)。もし「休息」レベルの休みを意味したければ、good (良質) や long (長い) を付けて "I need a good long rest" (休息が必要だ) のように表現するといいでしょう。

なお、今回見つかった「休息」の英語に含まれていた relaxation (リラックス/リラクゼーション) は rest と違って「くつろぐこと」を明確に意味します(ただし「休息」のような深いレベルの休みとは限りません)。

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↑「どうしたら relax できるんだろう...」(rest はできてますけどね)

日本でも仕事や勉強の合間に「憩う」ことをせず運動などをするのは自由ですが、その時間を「休憩時間」と呼ぶのはなぜでしょうか? 恐らく rest break のように「休むための時間」と言いたいのではなく、単に break (time) と同じ意味の自然な日本語が存在しないからだと思います(例えば「食事中断」などは変です)。

「ブレイクを取る」や「休憩する」は英語で何と言う?

次は、ブレイクや休憩を取る場合の動詞についてです。例文を使って簡単に説明すると次のようになります。

I took a break. / I had a break.(ブレイクを取った。)

この "a break" は休憩や気分転換をするための「1回の中断時間」のことで、動詞の takehave の違いを考えると took がブレイクを「取得した」、had は取得または与えられたブレイクを「摂取した」のような意味での「取った」に思えますが、以降も含めそのような違いはあまり考えないほうがいいと思います。

I took a rest. / I had a rest.(休憩を取った。)

この "a rest" は「1回の休憩 (=1回のブレイクを取って休むこと)」という意味です。イギリスでは resttake を使うのは変に感じられる可能性が高いため、have a rest を使うほうがいいでしょう。

I got some rest. / I had some rest.(少し休んだ。)

この "rest" は「1回の休憩」ではなく数えられない「休んだ状態」を意味するため、a を付けたり複数形にできません(つまりこの場合は可算名詞ではなく不可算名詞です)。そしてその状態を「ある程度 (=some) 得る/摂取する」という意味で動詞には take ではなく gethave を使うのが普通です。

I took a break and rested for a while.(ブレイクを取ってしばらく休んだ。)

これは rest を「休む」という動詞として使っています。

Felix / Rawpixel.com

↑ブレイクを取って休憩室で休憩する人たち。(「休憩室」や「休憩スペース」の英語は次回説明予定)

「休憩/休息」のその他の訳語

最後は、今回見つかった「休憩」と「休息」のその他の訳語についてです。

intermission: 映画、演劇、演奏などの中断時間。アメリカでは試合のハーフタイムにも使われる。
interval: イギリスで同じく演劇や演奏の中断時間に使われ、試合のハーフタイムにも使われる。
recess:「休廷」や「休会」などの中断期間の他、アメリカでは小学校の休憩時間にも使われる。
relief: ほっとさせるもの。安堵/安心。
repose: 横たわるなど休んで静寂な状態を表す文語。
respite: 難しいことや不快なことを中断して休むことを意味する文語。
time out (または time-out/timeout): 仕事などからしばらく離れる期間、スポーツのタイムアウト、お仕置きとして子供を黙って座らせておく時間などの意味で使われる。

このように和英辞書にはいろいろな訳語が載っていますが、本当に「休むこと」という意味で「休憩/休息」と言いたいのであれば、少なくとも普通の会話や文章では rest を使うのが一番いいでしょう。

以上、お役に立てる内容だったでしょうか? これで break と rest の違いやこの2語に使える動詞の違いが分かりやすくなったかもしれません。

このブログを読むといろいろな発見がありますので、今回の「休憩/休息」の内容を楽しめた方はそのまま休憩も休息もせずに「消費税」や「旅行」など他のページにも目を通してみましょう...