#14 「イヤホン (カナル型含む)」は英語で何と言う?

オンライン和英辞書や英語学習サイトの英語訳を訂正・修正・補足して解説する『Eiton English Vocablog』。
第14回は「イヤホン」の英語についてです。

注意 言葉は時代、状況、文脈などによって変化する場合があることを留意してお読みください。また、以下の内容はアメリカとイギリス以外の英語圏には該当しない場合があります。

Fernando Arcos / StockSnap.io

↑日本で「カナル型」と呼ばれるタイプのイヤホン。職場で上司がうるさいときなど耳栓としても使えるのが特徴の1つだ。


まず、「イヤホン」はオンライン和英辞書や英語学習サイトでどう英語に訳されているのでしょうか?

見つかった主な訳語とその訳語を載せた辞書・サイトをそれぞれアルファベット順に記載します。

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「イヤホン」
インターネット上の主な英語訳
1. earbud(s)
2. earphone(s)
3. earpiece
4. headphone(s)
訳語が見つかった辞書・サイト
bab.la(辞書)
CUERBO(辞書)
DMM英会話なんてuKnow?
英辞郎 on the WEB(辞書)
Glosbe(辞書)
goo(辞書)
Imagict(辞書)
Linguee(辞書)
Reverso Context(辞書)
weblio(辞書)
WebSaru(辞書)
Yahoo!知恵袋
※主なオンライン和英辞書とGoogle検索結果(キーワード:「イヤホン 英語」)の1ページ目に表示されたサイトを中心に調べています(◎本日以降に該当ページの内容が更新されている可能性があります)。検索語単体の英語訳の正誤を確認するのが目的のため、検索語を含むフレーズや例文などは調べていません。

ご覧のとおり、ear から始まる3つの単語に加え、headphone(s) まで載っています。これらの違いは一体何でしょうか? また、比較的新しいタイプの「カナル型イヤホン」は英語で何と言うのでしょうか?

以下では、今回調べた辞書・サイトで説明が見られなかった各表現の違いも含め、「イヤホン」の英語について分かりやすく説明します。

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Headphones?

まず、驚く方も多いと思いますがアメリカにはイヤホンのことを headphones と呼ぶ人が多くいます。確かに耳は「頭部 (head)」にあるため間違いとは言えず、例えばルームメートがスピーカーから音楽をガンガンに鳴らしているときに「勉強に集中できないからヘッドホンかイヤホンしてよ!」と両方言うのも面倒です。

他にもヘッドホンとイヤホンを区別する必要のない状況はあると思いますが、ヘッドホンとイヤホンを明確に分けて表現する私たちにとっては正直なところ理解不能です。また、アメリカだけでなくイギリスのショッピングサイトの Amazon.co.uk でも "Wireless Headphones""Portable Headphones" というサブカテゴリーの中に私たちが「イヤホン」と呼ぶものが含まれています。

なお、ヘッドホンはもちろんのことイヤホンも両耳に装着するタイプが普通のため、1つでも複数形で (a pair of) headphones/earphones と表現する必要があります。これは、両足に履くジーンズや靴を (a pair of) jeans/shoes と表現するのと同じです。

Emilio Garcia / Unsplash.com

↑「音サイコーっす、このヘッドホン!」

「イヤホン」は英語で何と言う?

さて、今回見つかった訳語の3番目にある earpiece は、ヘッドホン、受話器、聴診器などの「耳に当てる・入れる部分」を意味します。イヤホンに対してこの単語を複数形で使った場合に左右のスピーカー部とイヤホン全体のどちらと解釈するかは人によって違うと思いますが、イヤホン全体には次のような単語/表現を使うのが普通です(先ほどの headphones は含めていません)。

earphones(耳用の出音器)
earbuds(耳用の「芽/つぼみ」のような形をしたもの)
in-ear headphones(耳に入れる頭部用の出音器)
in-ear earphones(耳に入れる耳用の出音器)
in-ears(耳に入れるもの)

このように強引に漢字とひらがなだけで日本語に訳してみましたが、4つめの in-ear earphones は意味が重複した違和感のある表現のため使わないほうがいいでしょう。最後の in-earsin-ear headphones または in-ear earphones の略です。

困ったことにどの形のイヤホンにどの表現を使うかは人それぞれで、ヘッドホン/イヤホンの専門サイトでさえ異なる説明をしているものがあります。例えば、各タイプの違いを説明したサイトの中には earphones の例として耳の外側に掛ける小さめのヘッドホン(耳掛けヘッドホン)の写真を載せているものまであります。

ただ、いろいろな情報を総合的に判断すると、次に説明する「カナル型イヤホン」も含めたイヤホン全体を earphones、遮音性の低い従来型イヤホンを earbuds と表現するのが正しいように思います(逆にカナル型イヤホンを earbuds と考える人もいますが)。

Vassilis Kokkinidis / FreeImages.com

↑従来型のイヤホン。パッドを付けないと音漏れがひどく、大音量で聴くと隣で読書中の人に大迷惑だ。

「カナル型イヤホン」は英語で何と言う?

さて、2000年頃(?)に登場した比較的新しいタイプの「カナル型イヤホン」は、ゴム状のパッドが耳の穴にぴったりとフィットして遮音性が高いのが特徴です。今のところこの「カナル型イヤホン」の英語を載せたサイトは1つしか見つからず(『weblio』)、訳語は canal-type earphone となっています(これは特許登録時の英語表記のようです)。

耳の穴の入り口から鼓膜まで続く管 (外耳道) の名前は英語で ear canal のため、「カナル型」が「外耳道の形をした」という意味であれば canal-shaped になると思いますが、外耳道はもっと長い形のため恐らくその意味ではなく「外耳道を塞ぐタイプ」または「外耳道の中に入れるタイプ」という意味だと思います。

英語のヘッドホン/イヤホン専門サイトの中にはカナル型イヤホンのことを canalphones (外耳道用の出音器) と表現しているものもありますが、canal という表現はやや具体的すぎるためか in-ear headphonesin-ears と表現するサイトのほうが多い印象です(先ほどの『weblio』辞書では「カナル型」というフレーズだけの英語訳になぜか canalphones と in-ear headphones が載っています)。

逆に日本のイヤホン専門サイトでは遮音性が低い従来型イヤホンを「インナーイヤー型」と表現しており、カナル型イヤホンを in-ear(s) と表現する英語の専門サイトとの間にギャップが生じています。

William Stitt / StockSnap.io

↑インナーイヤー型(?)のイヤホンで音楽を聴く口数の少ないカップル。

ソフトクリーム型?

英語のヘッドホン/イヤホン専門サイトには in-ear canal headphones (外耳道の中に入れる頭部用の出音器) という表現も見られましたが、これはソフトクリームのような形をした外耳道の少し奥まで入るタイプのカナル型イヤホンの説明に使われていました。

このタイプは Etymotic Research と Plugfones というメーカーがそれぞれ earplugsearplug-earbud hybrids という名称で販売しているため、今後これらの商品名またはメーカー名がこのタイプの一般的な呼び名になるかもしれません(earplugs は耳栓と誤解される可能性がありますが)。

以上、お役に立てる内容だったでしょうか? 今回説明した「イヤホン」の各英語表現と意味の違いが多くのオンライン和英辞書に載ることを期待したいと思います。

もし英語ネイティブの知り合い2人がイヤホンについて話しているときに "headphones" と表現していても、間違いではないので不要な横槍を入れないようにしましょう。

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