#148 「遠足」「社会科見学」「修学旅行」は英語で何と言う?

オンライン和英辞書や英語学習サイトの英語訳を訂正・修正・補足して解説する『Eiton English Vocablog』。
第148回は「遠足」「社会科見学」「修学旅行」の英語についてです。

注意 言葉は時代、状況、文脈などによって変化する場合があることを留意してお読みください。また、以下の内容はアメリカとイギリス以外の英語圏には該当しない場合があります。

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↑「あっ、あたし遠足であそこ行ったー」「私は修学旅行で行ったよー」


まず、オンライン和英辞書や英語学習サイトで「遠足」「社会科見学」「修学旅行」はそれぞれどう英語に訳されているのでしょうか?

見つかった主な訳語とその訳語を載せた辞書・サイトをそれぞれアルファベット順に記載します。

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「遠足」
インターネット上の主な英語訳
1. field trip
2. hike
3. jaunt
4. picnic
5. (school) excursion
6. (school) outing
7. (school) trip
「社会科見学」
インターネット上の主な英語訳
1. (educational) field trip
2. educational trip/visit
3. (school) excursion
4. school trip
「修学旅行」
インターネット上の主な英語訳
1. class trip
2. field trip
3. (school) excursion
4. school trip
訳語が見つかった辞書・サイト
bab.la(辞書)
CUERBO(辞書)
DMM英会話なんてuKnow?
英辞郎 on the WEB(辞書)

英これナビ
Glosbe(辞書)
goo(辞書)

実用・現代用語和英辞典(辞書)
Linguee(辞書)
NativeCamp.Blog
NS6
Reverso Context(辞書)

VoiceTube
Weblio(辞書)

WebSaru(辞書)
Yahoo!知恵袋
※主なオンライン和英辞書とGoogle検索結果(キーワード:「遠足 英語」「社会科見学 英語」「社会見学 英語」「修学旅行 英語」)の1ページ目に表示されたサイトを中心に調べています(◎本日以降に該当ページの内容が更新されている可能性があります)。検索語単体の英語訳の正誤を確認するのが目的のため、検索語を含む例文などは調べていません。

ご覧のとおり、field tripschool tripschool excursion の3つが「遠足」「社会科見学」「修学旅行」のどの訳語にも含まれています。「社会科見学」は educational (教育目的の) という単語が付いているので分かりやすいですが、「遠足」と「修学旅行」はどう区別したらいいのでしょうか?

以下では、今回調べた辞書・サイトで説明が見られなかったアメリカとイギリスでの表現の違いも含め、「遠足」「社会科見学」「修学旅行」の英語について分かりやすく説明します。

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Trip, Excursion, Outing, Visit, Jaunt, Hike, Picnic の違い

まず、今回見つかった主な訳語を分かりやすい順に説明すると次のようになります。

field trip
アメリカの学校で社会科見学など数時間の外出から修学旅行など数日以上の旅にまで一般的に使われる表現。クラスや学年単位で行く場合は日帰り以下のものが多い。イギリスでは学校に限らず特定の分野(地理学、科学、言語学など)の研究・学習目的の旅を意味する。
school trip
イギリスでアメリカの field trip と同じ意味で一般的に使われる表現(アメリカでも使える)。数日以上のものにはアメリカではまず理解されない residential (trip/stays) という表現もある(日帰りでないものは school trip とは呼ばずこのように residential と呼ぶのが普通と言う人もいる)。
class trip
クラス単位の遠足や社会科見学を意味する言葉。
school excursion
世界一周旅行や出張にも使われる trip と違い、excursion は楽しむことが目的の短い旅を意味するとされている(それ以外の旅の意味もあるためか、人によって日数などのイメージが違うことがある)。
school outing
outing は遠足など準備が必要な(普通は日帰りの)特別な外出を意味するものの、今では古風な表現と感じる人も多く、同性愛の「カミングアウト」の意味でも使われるので注意が必要。
educational trip/visit
educational (教育目的の) という単語が付いているのでレクリエーションではなく学習が目的と分かる表現。visit (訪問) は trip や excursion と違って学校のすぐ隣にあるような近い場所にも使える単語。
jaunt
楽しむことが目的の短い旅(つまり小旅行)を意味するとされる単語。ただし一般的に使う言葉ではないため「茶目っ気のある話し方をするときに向いている」「古風な表現なので使わない」「特定のタイプの出張を意味する」など人によって印象が違うことがある(国/地域や年齢層による違いの可能性あり)。
hike
学校の遠足に限らずあらゆるハイキングを意味する単語。
picnic
ピクニック。野原やビーチに出かけてお弁当を一緒に食べて楽しむことが目的。

では、「遠足」「社会科見学」「修学旅行」はそれぞれ英語でどう表現すればいいのでしょうか?

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↑「やっぱり遠足は楽しいわね~」「ママ、これはピクニックよ...」

「遠足」「社会科見学」「修学旅行」は英語で何と言う?

まず、「遠足」とは日帰りで遠くに出かける学校行事のことで、特にレクリエーション目的のものをイメージする人が多いと思います。一方、工場見学など教育目的のものは「社会科見学」や「郊外学習」と呼ばれ、インターネット上でも「遠足、社会科見学、修学旅行」のように目的と期間で呼び分けている例が多く見られます。

このように遠足と社会科見学を別物と考える場合は、「遠足」が one-day recreational school trip (または single-day ~) で「社会科見学」が one-day educational school trip (半日であれば half-day ~) になります。一方、社会科見学も遠足の一部と考える場合は、両方合わせて単に one-day school trip と表現できます(学校での外出は日帰りのものが多いため、普通はあえて one-day を付ける必要もないでしょう)。

また、trip と呼ぶには近すぎる場所(例えば学校のすぐ隣にある病院)への社会科見学であれば、visit を使って educational school visit (クラス単位の見学と言いたければ class visit) と表現できます。

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↑前回の #147 「レジャー」の英語は leisure それとも recreation? でも説明したとおり、recreation (レクリエーション) とはスポーツ、ハイキング、サーフィンなど余暇に楽しむ目的で行う(特に屋外の)活動のこと。

一方、泊りがけで学習が目的とされる「修学旅行」は multi-day educational school trip と表現できますが、educational という言葉を使うと修学旅行の楽しいイメージがなくなると感じる場合は単に multi-day school trip と表現すればいいでしょう(イギリスでは先ほど書いたとおり residential だけでも可)。

なお、1泊2日の旅は two-day school trip や overnight school trip、2泊3日の旅は three-day school trip と表現しますが、日帰りか泊りがけか(つまり遠足/社会科見学か修学旅行か)を区別する必要がない場合はもちろん ○○-day などの部分は不要で単に school trip と表現できます。

このセクションでは主に school trip という表現を使って説明しましたが、アメリカでは先ほど書いたとおり field trip を使うほうが普通です(地域などによって違う可能性あり)。

School/Class Trip だけでも「遠足」「社会科見学」「修学旅行」のどれか分かる

さて、逆に英語から日本語にするときは、次の例文のように school trip や class trip という表現だけでも文脈からそれが日本語の「遠足」「社会科見学」「修学旅行」のどれに該当するか分かります。

They are in India on a school trip.(彼らは修学旅行で今インドにいます。)

このように日帰りできないほど遠い場所にいる場合は、必然的に修学旅行など宿泊を伴う旅を意味します。

一方、日帰りできる距離にある場所でレクリエーション目的ではなく学習目的で訪れるような場所を1か所だけ訪れたと説明している場合は、次のように「社会科見学」を意味します。

We went on a class trip to the Diet Building.(社会科見学で国会議事堂に行きました。)

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↑「社会科見学に来たぞー!」「いや水族館は遠足だろー」

(School) Excursion と表現してもいい?

最後は、先ほど簡単に説明した excursion についてです。この単語には recreational などの言葉を付けなくても最初から「楽しむことが目的」というニュアンスがあることから、楽しいイメージの「遠足」と「修学旅行」には使えるでしょう(先ほど書いたとおり日数などのイメージが人によって違うことがありますが)。

つまり例えば "We went on a one-day school excursion" と言えば遠足に行った意味になりますが、先ほど説明したとおり field trip (アメリカ) と school trip (イギリス) のほうが遠足や修学旅行の一般的な表現のため、特別感を特に出す必要がなければ excursion ではなく trip を使うほうがいいでしょう。

以上、お役に立てる内容だったでしょうか? 今回調べた辞書・英語学習サイトで「遠足」と「修学旅行」の英語にそれぞれ recreational と multi-day を使った表現を載せているものはありませんでしたので、少なくとも辞書サイトはこれらの表現を載せておく必要があるでしょう。

遠足や旅行の trip は健康的でとてもいいですが、trip にはLSDなどによる「幻覚体験」の意味もありますのでそのタイプの旅には出かけないようにしましょう...

※旅行の trip については #45 「旅行する」の英語は本当に travel や go on a trip? で詳しく説明しています。