#71 「週休2日制」の英語は本当に five-day workweek?

オンライン和英辞書や英語学習サイトの英語訳を訂正・修正・補足して解説する『Eiton English Vocablog』。
第71回は「週休2日制」の英語についてです。

注意 言葉は時代、状況、文脈などによって変化する場合があることを留意してお読みください。また、以下の内容はアメリカとイギリス以外の英語圏には該当しない場合があります。

metamorworks / Shutterstock.com

↑「うちは週休2日制だって伝えました?」「ええ、辞書に書いてあったとおり "five day workweek" って伝えたわ」 


まず、オンライン和英辞書や英語学習サイトで「週休2日制」はどう英語に訳されているのでしょうか?

見つかった主な訳語とその訳語を載せた辞書・サイトをそれぞれアルファベット順に記載します。

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「週休2日制」
インターネット上の主な英語訳
1. five-day week (system)
2. five-day working week (system)
3. five-day workweek (system)
4. (system of) two days off a/every week
訳語が見つかった辞書・サイト
bab.la(辞書)
DMM英会話なんてuKnow?
英辞郎 on the WEB(辞書)
Glosbe(辞書)
goo(辞書)
話すための英語学習
実用・現代用語和英辞典(辞書)
Linguee(辞書)
Reverso Context(辞書)
weblio(辞書)
WebSaru(辞書)
※主なオンライン和英辞書とGoogle検索結果(キーワード:「週休2日制 英語」「週休二日制 英語」)の1ページ目に表示されたサイトを中心に調べています(◎本日以降に該当ページの内容が更新されている可能性があります)。検索語単体の英語訳の正誤を確認するのが目的のため、検索語を含むフレーズや例文などは調べていません。

ご覧のとおり、主に4つの訳語が見つかりました。five-day を使った表現が圧倒的に多く、最も多かったのは3番目の five-day workweek (system) です。これらの表現は本当に「週休2日制」という制度を正しく表しているのでしょうか?

以下では、今回調べた辞書・サイトで見落とされていた点も含め、「週休2日制」の英語について分かりやすく説明します。

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「週休2日制」は休みが毎週2日ある制度ではない

まず、ご存知の方も多いと思いますが、日本には「週休2日制」「完全週休2日制」という似た名前の制度があり、1年を通して休みが必ず毎週2日あるのは「完全週休2日制」のほうです。一方、「週休2日制」は休みが2日ある週が月に最低1回あればよく、その他の週は最低1日休ませればいい制度です。この制度で従業員を最大限働かせようとすると、例えば次のカレンダーのようになります(休みは土日以外に設定することも可能)。

Niwat / Rawpixel.com

↑これを「週休2日制」と名付けた悪人は一体誰だ!?

「週休2日制」は英語で何と言う?

さて、単に休みが毎週2日あることを伝えたい場合は確かに five-day workweek のように表現すればいいのですが、例えば「週休2日制」という言葉が使われている求人広告や会社案内を英語に翻訳する場合はどうでしょうか? これを five-day workweek (system) と表現してしまったら、誰でも休みが毎週2日あると勘違いしてしまうではありませんか?(日本人でさえだまされるわけですから...)

Alex Cherepanov / Shutterstock.com

↑「ダマサレマシタ...」

では、この「週休2日制」は英語で何と表現すればいいのでしょうか? 週休2日が five-day workweek で週休1日は six-day workweek のため、週休1~2日となるこの制度は「週5~6日勤務制」と考えて five- to six-day workweek (system) と表現することができます。2日休める週が「月に最低1回」とは説明していませんが、このように表現すれば普通は5日または6日働く週が少なくとも月に1回はあると思うでしょう。

ただ、基本的に週5日勤務で年1回だけ6日勤務の週がある場合でも「週休2日制」に該当するため、そのような場合は表現が長くなってもそのことを明確に説明するしかないでしょう。また、例えば「週休2日制 (日、月1回土曜日)」のように記載されている求人広告の場合は、「週休2日制」の部分を five-day workweek と訳してもカッコ内に休みの日が記載されているため誤解される可能性は低いと思います。

なお、イギリスの場合は workweek ではなく working week と表現するのが普通です。また、仕事の話だと分かる状況では work/working の部分は省略することができます。

「完全週休2日制」は英語で何と言う?

では、一方の「完全週休2日制」は英語でどう表現すればいいのでしょうか? この言葉の英語訳を載せているオンライン和英辞書や英語学習サイトがあるか調べてみたところ1つだけ見つかりましたが(『weblio』)、訳語は complete five-day workweek system や full-scale five-day work system となっていました。このような表現では「普通の週休2日と何が違うのか?」と疑問に思われてしまうでしょう。

ここまで読まれた方はお分かりのとおり、「週休2日制」の英語として辞書に載っている five-day workweek (system)five-day working week (system) が「完全週休2日制」の適切な表現です。

以上、お役に立てる内容だったでしょうか? 今回説明した「週休2日制」と「完全週休2日制」の違いや適切な英語訳が多くのオンライン和英辞書に載ることを期待したいと思います。

就職活動を現在されている方や今後される方は、この「週休2日制」という言葉にだまされないようくれぐれも注意しましょう。