#174 『食(料)品』の英語は food (product), foodstuff, groceries などのどれ?

オンライン和英辞書や英語学習サイトの英語訳を訂正・修正・補足して解説する『Eiton English Vocablog』。第174回は「食(料)品」の英語についてです。

注意 言葉は時代、状況、文脈などによって変化する場合があることを留意してお読みください。また、以下の内容はアメリカとイギリス以外の英語圏には該当しない可能性があります。

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↑「ほら、次は groceries を買いに行くわよ」「それ food と何が違うんでしたっけ??」


まず、オンライン和英辞書や英語学習サイトで「食料品/食品」はどう英語に訳されているのでしょうか?

見つかった主な訳語とその訳語を載せた辞書・サイトをアルファベット順に記載します。

「食料品/食品」
インターネット上の主な英語訳
1. article(s) of food
2. comestible(s)
3. eatable(s)
4. food(s)
5. food item
6. food product(s)
7. foodstuff(s)
8. groceries / grocery
訳語を載せた辞書・サイト
bab.la(辞書)
CUERBO(辞書)
DMM英会話なんてuKnow?
英辞郎 on the WEB(辞書)

Glosbe(辞書)
goo(辞書)
Imagict(辞書)
実用・現代用語和英辞典(辞書)
Linguee(辞書)
Note
Reverso Context(辞書)

Weblio(辞書)
WebSaru(辞書)
※主なオンライン和英辞書とGoogle検索結果(キーワード:「食料品 英語」「食品 英語」)の1ページ目に表示されたサイトを中心に調べています(◎本日以降に該当ページの内容が更新されている可能性があります)。検索語単体の英語訳の正誤を確認するのが目的のため、検索語を含むフレーズや例文などは調べていません。

ご覧のとおり、主に8つの訳語が見つかりました。「食料品」は foodstuff(s) と groceries、「食品」は food(s)foodstuff(s)food product(s) が多く見られましたが、これらの違いは一体何でしょうか?

以下では、「食料雑貨店/スーパー」の表現も含め、「食(料)品」の英語について分かりやすく説明します。

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Groceries ≠ 食料品

まず、groceries (grocery の複数形) はアメリカでは食料品だけでなく飲料や日用品も含む「普段の買い物で買う品々」の意味で使う人が多くいます(長くなるため語源の説明は省きますが、日本語の「食料品」と違ってこの単語に「食料」の意味はありません)。そしてこれらの品々を売るお店が grocery store で、大きければ supermarket とも呼べます(日本では小さな食料(雑貨)店でも「スーパー」と呼ぶところが違います)。

一方、イギリスでは高年層で groceries を小麦粉、砂糖、缶詰、乾物、乳製品、紅茶など一部の食品・飲料などだけに使う人がいます。昔は肉屋や八百屋とは別に grocer's (shop) で買うこれらの品々を groceries と呼んでいたものが、大きなスーパーの登場以降はこのタイプのお店が減っていくとともにこの言葉も使われなくなっていったのが理由のようです(アメリカの影響のためか今はアメリカ人と同じように使う人もいます)。

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↑「そっか、グロサリーってこのスペルなんだ...」「英語では『グロゥサリー』や『グロゥシュリー』と発音してね」

なお、肉・魚、青果、パンなどの売り場を除く食品と飲料の売り場の総称が "Grocery" となっているスーパーもあると思いますが、これは今説明したイギリスの例のように一部の食品・飲料などだけが groceries と呼ばれていた頃の名残か、または他にこれらの売り場の総称として最適な言葉がないからだと思います。

「食料品」や「食品」は英語で何と言う?

では、「食料品」や「食品」は英語で何と言うのでしょうか?「食料品」は肉や野菜など主食品以外を指すのが普通と説明している国語辞書もありますが、その意味に限定して使う人は少なくとも今は稀だと思います。

個人的にはあらゆる食用の品に使える「食品」と違って「食料品」は生活に必要な食品のような気がしますが、いずれにしても商店で売っている食品全般に使われる一般的な英語は food (食べ物) です。飲食店で食べるものや自分で栽培して食べるものにも該当する単語ですが、買い物の話では「食(料)品」を意味します。

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↑「ここの食料品はとても美味しいんだよ」「こういうときの food は日本語で『食料品』とは言わないのよ」

この food は例えば "buy some food" (食べ物をいくらか買う) のように1種類以上の食品を買う場合でもそのことが重要でなければ不可算名詞 (数えられない名詞) として単数形で使いますが、特定の種類の食べ物や具体的な食べ物について説明する場合は "a (形容詞) food" ((○○な)食べ物)、種類が複数あることを伝えたい場合は "these foods" (これらの(種類の)食べ物) のように可算名詞 (数えられる名詞) として使います。

一方、foodstuff(s) は少なくとも主な英英辞書の定義ではそのまま食べたり料理に使う物質を意味します。英和辞書で「食糧/食料(品)」「食品」「食物」「食材」などに訳されていますが、そのまま食べる果物なども含むため「食材」より広く、「物質」と呼ぶには違和感のある調理済みの食品は含まないと考えるのであれば「食品」より狭い意味だと言えるでしょう。(表現が英語と一致する「食物 (しょくもつ)」が一番近い?)

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↑これらは food であり、foodstuffs でもあるのだ。(どちらも groceries と違ってお店で買うものに限定されない言葉)

「食(料)品」は先ほど説明したとおり普通は food(s) と表現しますが、あえて「食用の製品(群)」という意味で「食品」と言いたい場合は food product(s)、単に「食用の品(々)」という意味で「食品」と言いたい場合は food item(s)item(s) of food と表現します(item は単に何かの中の1つ1つを意味します)。

今回見つかったその他の主な訳語については、article(s) of food が item(s) of food と同じ意味(item(s) のほうが普通)、硬いまたはおどけた表現の comestible(s) (複数形で使うのが普通) は「食用のもの」(つまり「食品」よりも「食用品」)、eatable(s) (複数形で使うのが普通) も「食用のもの」を意味します。

以上、お役に立てる内容だったでしょうか? これで「食(料)品」に使われる英語の違いが分かりやすくなったかもしれません。

今度スーパーでお買い物をするときは、主に買うものが「食料品」であれ「食品」であれ、今回の内容を思い出しながら食べ物、飲み物、日用品などの grocery shopping を楽しみましょう...