#38 「高級(感)」は英語で何と言う?

オンライン和英辞書や英語学習サイトの英語訳を訂正・修正・補足して解説する『Eiton English Vocablog』。
第38回は「高級(感)」の英語についてです。

注意 言葉は時代、状況、文脈などによって変化する場合があることを留意してお読みください。また、以下の内容はアメリカとイギリス以外の英語圏には該当しない場合があります。

Petr Kratochvil / PublicDomainPictures.net

↑これは「高級チョコ」と「高級感のあるチョコ」のどっち?


まず、オンライン和英辞書や英語学習サイトで「高級(感)」はどう英語に訳されているのでしょうか?

見つかった主な訳語とその訳語を載せた辞書・サイトをそれぞれアルファベット順に記載します。

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「高級(感)」
インターネット上の主な英語訳
1. classy
2. expensive
3. fancy

4. high(-)class (feel)
5. high-end
6. high(-)grade (feeling/sense)
7. high(-)quality
8. luxurious (feeling) / luxurious(ness)
9. (sense of) luxury
10. posh

11. premium (grade)
12. top-grade
 13. top-quality
訳語が見つかった辞書・サイト
bab.la(辞書)
CUERBO(辞書)
DMM英会話なんてuKnow?
英辞郎 on the WEB(辞書)
Glosbe(辞書)
goo(辞書)
Imagict(辞書)
実用・現代用語和英辞典(辞書)
Linguee(辞書)
Reverso Context(辞書)
weblio(辞書)
WebSaru(辞書)
※主なオンライン和英辞書とGoogle検索結果(キーワード:「高級 英語」「高級感 英語」)の1ページ目に表示されたサイトを中心に調べています(◎本日以降に該当ページの内容が更新されている可能性があります)。検索語単体の英語訳の正誤を確認するのが目的のため、検索語を含むフレーズや例文などは調べていません。

ご覧のとおり、主な訳語だけでもこれだけの数になりました。これでは一体どれを使えばいいか迷ってしまうと思います。なぜこんなに多くの表現が必要なのでしょうか?

以下では、これらの訳語の違いも含め、「高級(感)」の英語について分かりやすく説明します。

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高級 vs 高級感

まず、当たり前ですが「高級」「高級感」では意味が違います。「高級」が品質や等級が優れていることを意味するのに対し、「高級感」は実際に高級かどうかは別として高級に感じられる場合に使う言葉のため、例えば500円のチョコでもパッケージの見た目などから数千円クラスの高品質なチョコに感じられるのであれば、それを「高級感がある」と表現できるのです。

この「高級」と「高級感」に該当する英語表現はいくつもあるため、どの表現が最適なのかを判断するには各表現の意味やニュアンスを知る必要があるのです。

高価 vs 豪華

今のチョコの例では、「高価な感じがする」という意味で「高級感がある」と言いたいのであれば "It looks expensive" と表現できますが、「低級」に対する「高級」が基本的に良い意味なのに対して expensive は単に「値段が高い」という意味のため、状況や言い方によっては悪い意味にもなってしまいます。

一方、「豪華で贅沢な感じ」という意味での高級感であれば "It looks luxurious" と表現できますが、この luxurious はホテルや車などの豪華な設備・装備の見た目や質感などから贅沢な気分になれる場合に使うのが普通のため、「チョコ程度のものをあなたは luxurious と呼ぶのか」と違和感を持たれるかもしれません。

Cam Morin / Unsplash.com

↑「何だか高そうだわこの服」と値札を探す女性。

ここまでの2つの例では動詞の look を使った「高価・豪華に見える」という文章によって「高級感」を表現しましたが、この「感」の部分に使う動詞は look だけではありません。例えば、音声(ラジオCMなど)や文字(ツイッターなど)による短い商品説明やコメントから「高級そうに聞こえる」と言う場合は動詞を sound に変えて "It sounds expensive/luxurious" と表現します。

また、見た目や短い説明以上の判断材料があると "It seems..." (~に思える) というレベルになり、同じ意味で "It feels..." (~に感じる) とも表現できますが、この feel は実際に触れて感じる意味にもなり得る動詞のため注意が必要です。

Luxurious vs Luxury

luxurious に似ている luxury は基本的に名詞で、不可算名詞 (数えられない名詞) として例えば "I want luxury" と言うと「(高価・豪華なもので) 贅沢な気分になりたい」という意味になり、高価・豪華なものよりもその結果得られる贅沢感を求めていることになります。一方、可算名詞 (数えられる名詞) として "I want luxuries" と表現すると「(贅沢な気分になれる) 高価・豪華な品々が欲しい」という意味になります。

この luxury を形容詞的に使えるのは別の名詞の前に置く luxury hotel のような形に限られますが、これは「高級ホテル」と呼ばれるクラスのホテルのことで、高級かどうかに関係なく贅沢な気分になれるホテルを意味する luxurious hotel とは違います。つまり、「あの高級ホテルはあまり高級感を味わえなかったね」という意味で "That luxury hotel wasn't very luxurious" とは言えてもその逆を言うことはできません。

teadrinker / Pixabay.com

↑ここは luxury hotel と luxurious hotel のどっち?

高級感のあるバッグ

ここまで見てきた「高価」や「豪華・贅沢」に感じることや、後で出てくる「品質が高そう」や「本格的」に感じることを「高級感」と考えるのであればそれぞれに該当する表現を使えばいいので簡単ですが、自分以外の人が「高級感がある」と言った場合はどんな理由でそう感じたのかよく分かりません。

例えば、あなたの男性の友達がその場にいる外国人女性の友達のバッグを見て「高級感があるバッグですね」と言った場合、どんな理由でそう感じたのか分からないため「彼がこのバッグは高級感があるって言ってるよ」とその外国人の友達にどう英語で伝えたらいいか迷うかもしれません。

この場合は「贅沢を味わえるバッグ」という意味ではないため luxurious は使わず、"He said your bag looks expensive" (彼があなたのバッグは高そうだって言ってるよ) や "He said it looks like a luxury bag" (彼がこれ高級バッグみたいだって言ってるよ) と表現すると意味的に近くなりますが、皮肉と思われる可能性があるため "He said your bag looks really nice" のように伝えるほうがいいかもしれません。

The Lazy Artist Gallery / Pexels.com

↑バッグよりもコートのほうが高級感が出てしまった女性。

プレミアム?

さて、忘れてはならないのが商品名や広告でよく使われる単語の premium です。日本では「プレミアムフライデー」までできるほど一般的な言葉になってしまいました。この「プレミアム」は「高級」の意味で使われることが結構ありますが、レベルとしては「ワンランク上」のため「高価」の luxury よりも下になります。

この「ワンランク上」にも幅があり、例えば無料写真のダウンロードサイトの中には同じ写真でも最大サイズだけは有料のものがあるのですが、そのダウンロードボタンには "Premium Download" と表示があるのに料金はたったの $0.05~$0.10 だったりします。

つまり、この premium はメーカーやお店など提供者側がちょっとした「特別感」を演出するために好んで使う表現であり、私たち消費者が使うと「広告みたいなこと言うね」と思われてしまうかもしれません。

「高級(感)」に使えるその他の表現

さて、他にも「高級(感)」に使える表現はまだまだあります。

今回見つかった訳語に含まれている high-end は家電などの高級な製品群に使い、high(-)quality は「品質が高そう」という意味で高級に感じられる場合に使えます。classy は「スタイリッシュで洗練されている」、posh は「豪華でおしゃれ」を意味し、fancy は「凝っている/おしゃれ」という意味で「高級感」に使えるかもしれませんが、場合によっては「凝りすぎ/しゃれすぎ」という悪い意味にもなるため注意が必要です。

high-class/grade は「等級が高い」という意味のため「高級」と一致しますが、例えば「高級車」は先ほどの高級ホテルや高級バッグのように高価で贅沢な部類という意味で luxury car と表現したり、「高級レストラン」は上流階級や高所得者層向けという意味で upscale/upmarket restaurant (アメリカ/イギリス) や exclusive restaurant と表現するほうが多く、これはもう1つ1つ覚えていくしかないと思います。

なお、一覧の最後の top-gradetop-quality はそれぞれ「最上級の」「最高品質の」という意味です。

Petr Kratochvil / PublicDomainPictures.net

↑ここは upscale restaurant。スケールアップしたレストランと勘違いしてはいけない。

その他、今回見つかった訳語の中にない表現では、「本格的」を意味する authentic、「上品・優雅な」を意味する elegant、そして luxurious と同じく「豪華・贅沢な」を意味する deluxe(または de luxe)なども「高級感」を表現するのに使えるかもしれません。

なお、「高級感」という名詞は lookfeel などの動詞を名詞化して expensive lookhigh-class feel と表現したり、sense of luxury のように表現することもできますが、普段の会話などで「高級感」を表現するのであれば最初の説明のように look や sound などを動詞として使うほうが自然と言えるでしょう。

以上、お役に立てる内容だったでしょうか? 今回説明した「高級感」の英語訳の意味の違いが多くのオンライン和英辞書に載ることを期待したいと思います。

このように「高級(感)」に該当する英語表現はとても多いため今回は説明が少し長くなりましたが、内容はかなり高級感のあるものに仕上がったと思います。