#38 『高級(感)』は英語で何と言う?

オンライン和英辞書や英語学習サイトの英語訳を訂正・修正・補足して解説する『Eiton English Vocablog』。第38回は「高級(感)」の英語についてです。

◆当ブログはアメリカ英語とイギリス英語が対象です。その他の英語では表現が違うことがありますのでご注意ください。
◆更新履歴は「お知らせ」に載せています。

Yulia Grigoryeva / Shutterstock.com

↑高級レストランで高級感を楽しむ人たち。さて「高級」や「高級感」は英語で何と言う?


まず、オンライン和英辞書や英語学習サイトで「高級(感)」はどう英語に訳されているのでしょうか?

見つかった主な訳語とその訳語を載せた辞書・サイトをアルファベット順に記載します。

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「高級(感)」
インターネット上の主な英語訳
1. classy
2. exclusive
3. expensive
4. fancy

5. high(-)class (feel)
6. high(-)end
7. high(-)grade (feeling/sense)
8. high(-)quality

9. luxurious (feeling) / luxuriousness
10. posh
11. premium (feel/grade)
12. (sense of) luxury
13. upscale
訳語を載せた辞書・サイト
bab.la(辞書)
CUERBO(辞書)
DMM英会話なんてuKnow?
英辞郎 on the WEB(辞書)
Glosbe(辞書)
goo(辞書)
Imagict(辞書)
実用・現代用語和英辞典(辞書)
Linguee(辞書)
Reverso Context(辞書)
Weblio(辞書)
WebSaru(辞書)
※主なオンライン和英辞書とGoogle検索結果(キーワード:「高級 英語」「高級感 英語」)の1ページ目に表示されたサイトを中心に調べています(◎本日以降に該当ページの内容が更新されている可能性があります)。検索語単体の英語訳の正誤を確認するのが目的のため、検索語を含むフレーズや例文などは調べていません。

ご覧のとおり、主な訳語だけでもこれだけの数になりました。スペルが似ている luxuriousluxury の違いや日本の「プレミアムフライデー」などにも使われている premium の意味は一体何でしょうか?

以下では、今回調べた辞書・サイトが載せていなかった表現も含め、「高級(感)」の英語について分かりやすく説明します。

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すべての「高級(感)」に使える英語はない

まず、日本語では例えば「高級(感のある)レストラン」「高級(感のある)車」「高級(感のある)バッグ」のようにいろいろなものに「高級(感)」という同じ言葉を使えますが、英語では何についての話なのかや状況によって exclusivehigh-endluxurious/luxurypremium など表現が変わります(本当に面倒です)。

また、高級感は「高級そう」と「高級感がある」という2つの言い方で表せると思いますが、「高級そう」に使う動詞も次のように状況によって変わります(「○○」には「高級な」を意味する形容詞が入ります)。

It looks ○○.  (高級そう(に見えます)。)
It sounds ○○.  (高級そう(に聞こえます)。)
It seems ○○.  (高級そう(に思えます)。)
It feels ○○.  (高級そう(に感じます)。)
※この4つ以外にも使える動詞はありますが、普通はこのどれかで表せます。

一方、「高級感がある」のように「○○感」という名詞を使って表現する場合はこれらの動詞を名詞化して「感」の部分に使いますが、上の4つの動詞のうち seem だけは名詞として使えません。

It has a ○○ look (to it).  (○)
It has a ○○ sound (to it).  (○)
It has a ○○ seem (to it).  (×)
It has a ○○ feel (to it).  (○)
※最後に "to it" (主語が複数であれば "to them") を足すとその感じを今感じ取れているニュアンスになります。

そしてこの「高級そう」と「高級感がある」のどちらの場合でも「○○」の部分に使う形容詞によってはそのフレーズ自体が不自然に感じられることがあるため、その意味でもあらゆる高級感に使える英語はないのです。

Rawpixel / Rawpixel.com

↑「えー、何か英語って面倒くさそう」(←この場合は文字による説明でも耳で聞いているかのように "It sounds ~")

「高級(感)」に使える形容詞はどれ?

では、今回見つかった主な訳語で「高級(感)」に使える形容詞はどれでしょうか? どの辞書・サイトも載せていなかった upmarket も含めてアルファベット順に説明すると次のようになります。

classy
「学級 (クラス)」や「階級」に使われる class (等級) という名詞を形容詞にした単語。ただし「高級な」ではなく elegant (エレガント) のように「上品で洗練された」という意味で使うほうが普通。
exclusive
「排他的」「独占的」「限定的」などを意味する形容詞。例えば値段が高いなどの理由で高所得者層だけが行ける高級レストランを exclusive restaurant と表現できる。
expensive
「低級」に対して普通は良い意味の「高級」や主な国語辞書で価値が高い意味もあるとされている「高価」と違い、単に値段が高いことを意味する形容詞(ただし値段が高いものは高品質・豪華なことが多い)。例えば「値段が高そうに見える/感じる車」であれば "a car that looks/feels expensive"、"a car with an expensive look/feel"、"an expensive-looking car" と表現できる(expensive-feeling は不自然)。
fancy
洒落ていたりそのせいで値段が高いものに使う形容詞(それを軽蔑する場合にも使われる)。例えば fancy clothes は着飾るような洒落た服、fancy restaurant はそのような洒落たレストランを意味する。

Rawpixel / Rawpixel.com

↑「これ高級感ないのにすんげえ expensive」「高っけー!」

high-class
class (等級) が高いこと。つまり正に「高級な」を意味する形容詞。ただしこれが最も一般的な表現ではなく、例えば高級レストランには上の exclusive/fancy や後で説明する upscale などを使うのが普通。
high-end
ラインナップの最後に位置する最も高価な製品に使われる形容詞。日本でも「ハイエンド」とカタカナで表されることがある。家電に多く、例えば高級冷蔵庫は high-end refrigerator と表現できる。
high-grade
「学年」などに使われる grade (等級) という単語を使ったこれも正に「高級な」を意味する形容詞(カタカナの「ハイグレード」はこれが元)。high-class と同じく他の表現を使うことのほうが多い。
high-quality
「高品質な」を意味する形容詞。主な国語辞書の「高級」の説明には「階級」や「地位」とともに「品質」も含まれているため、「高品質感」という意味での「高級感」であればこの単語が最適。

Teddy / Rawpixel.com

↑「今この車を high-class と表現されましたね?」「ええと... high-grade のほうが良かったかな」

luxurious
豪華で贅沢なことを意味する形容詞。例えばそう見える車やホテルを "It looks luxurious" と表現できる。次に説明する名詞の luxury を使った luxury car/hotel (高級車/高級ホテル) と呼ばれるクラスのものでも実際に自分が豪華・贅沢と感じなければ luxurious car/hotel とは呼べない。同じく形容詞で同義語の deluxe (デラックス) は luxury と同じく名詞の直前に置いてカテゴリーを表すのに使うのが普通。
luxury
高価・豪華なものやそれによって得られる贅沢のこと。名詞のため "It looks luxury" のようには使えず、形容詞的に使う場合は別の名詞の直前に置く必要がある。ただし本当の形容詞ではないため日本語の「とても高級ホテルです」と同じく "It's a very luxury hotel" のようには使えない。日本語でも「ラグジュアリー○○」と呼ばれる「高級車」「高級ホテル」「高級バッグ」など贅沢品のカテゴリーを表すのに最適。

Teddy / Rawpixel.com

↑「すごく luxury なホテルね」「それは luxurious を使うんだよ」

posh
上流階級(風)の気取った話し方や態度をする人にイギリスでよく使われる形容詞。そのように洒落ていたり高価な車やレストランを(イギリスであれば普通は馬鹿にして)posh car/restaurant と表現できる。
premium
普通よりも値段が高いなど、ワンランク上程度のものも含め特別感を出すためによく使われる形容詞(景品や保険料を意味する名詞としても使われる)。製品やサービスの提供者側が使うことが多い一方、例えばユーザーレビューで "It has a premium feel" (プレミアム感がある) のように使う人もいる。日本語ではこの感じを「特別感」や「プレミアム感」の他、「高級感」と表現することもある。

McKinsey / Rawpixel.com

↑「この premium シリーズをお試しになりませんか?」(そうやって普通より良さそうな感じを出して買わせる気だな?)

upscale/upmarket
up (上) という文字が入っているため先ほどの exclusive よりも明確に「高価」で「上層向け」なことが分かる形容詞。アメリカでは upscale、イギリスでは upmarket を使うのが普通。

このように「高級(な)」に使える英語は多くありますが、どの表現を使えばいいかを判断するにはそのフレーズがネイティブスピーカーによってどれくらいの頻度で使われているかをインターネットで調べるのがいいでしょう。書籍の中でどのフレーズが最も多く使われているかは Google Ngram Viewer で調べられます(例えば検索ボックスに「expensive car,fancy car,high-class car,luxurious car,luxury car」と入力して検索)。

以上、お役に立てる内容だったでしょうか? これで「高級(感)」のさまざまな英語表現の違いが分かりやすくなったかもしれません。

高級車や高級バッグと同じくこのブログも高品質で豪華な内容を目指していますが、それでもブログが「高級」と呼ばれることはないでしょう(無料で読めますし...)。

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