#33 「ネットショップ」と「ネットスーパー」は英語で何と言う?

オンライン和英辞書や英語学習サイトの英語訳を訂正・修正・補足して解説する『Eiton English Vocablog』。
第33回は「ネットショップ」「ネットスーパー」の英語についてです。

注意 言葉は時代、状況、文脈などによって変化する場合があることを留意してお読みください。また、以下の内容はアメリカとイギリス以外の英語圏には該当しない場合があります。

mohamed hassan / PublicDomainPictures.net

↑「お荷物お届けに参りましたー」「ずいぶん早いな...」


まず、インターネット上のお店とスーパーを意味する「ネットショップ」「ネットスーパー」はオンライン和英辞書や英語学習サイトでそれぞれどう英語に訳されているのでしょうか?

見つかった訳語とその訳語を載せた辞書・サイトをそれぞれアルファベット順に記載します。

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「ネットショップ」
インターネット上の英語訳
1. internet shop
2. online shop
3. Web shop
4. Web store
訳語が見つかった辞書・サイト
実用・現代用語和英辞典(辞書)
Reverso Context(辞書)
weblio(辞書)
「ネットスーパー」
インターネット上の英語訳
net supermarket
訳語が見つかった辞書・サイト
weblio(辞書)
※主なオンライン和英辞書とGoogle検索結果(キーワード:「ネットショップ 英語」「ネットスーパー 英語」)の1ページ目に表示されたサイトを中心に調べています(◎本日以降に該当ページの内容が更新されている可能性があります)。検索語単体の英語訳の正誤を確認するのが目的のため、検索語を含むフレーズや例文などは調べていません。

ご覧のとおり、「ネットスーパー」を載せた辞書は1つだけ、「ネットショップ」を載せた辞書も3つしか見つかりませんでした。また、この2つの呼び名に使われる最も一般的な英語表現も今回調べた辞書・サイトには載っていませんでした。

以下では、日本語と英語で表現が多少異なるこの「ネットショップ」と「ネットスーパー」の英語について分かりやすく説明します。

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日本語では「ネット」が普通

まず、インターネット上のお店の呼び名は日本語で「ネットショップ」「オンラインショップ」「オンラインストア」「ウェブショップ」「ウェブストア」「電子ストア」などいろいろありますが、お店を利用する側の私たちが最も使う表現は「ネットショップ」だと思います。また、インターネット上のスーパーについては利用者側だけでなくお店側も「ネットスーパー」と表現しています。

一方、英語では例えば「ネット上で」と言うときに internetnet と略して "on the net" のように表現することは普通にありますが、「ネットショップ」「ネットスーパー」「ネットバンク」、そして #24 「ネット掲示板」の英語は本当に bulletin board や BBS? で取り上げた「ネット掲示板」などには省略形の net を使うことは普通ありません。

George Hodan / PublicDomainPictures.net

↑ネットショッピングでたくさん買わせたいからといってこのようなキーボードを作ってはいけない。

英語では Online が普通

「ネットショップ」と「ネットスーパー」は英語ではそれぞれ online store と online supermarket と表現するのが普通です。「ネット上の」という形容詞には internet や web よりも online を使うほうが圧倒的に多く、英語版ウィキペディアの『Online shopping』のページでも online store が主に使われています。

この形容詞の online は「ネット上の」という意味のため、例えばインターネット上のものではない「ネットカフェ」は英語でも internet cafecyber cafe と呼ばれています。これを online cafe と表現すると「ネット上のカフェ」という意味になってしまい、冒頭のイラストのようにパソコンの画面から人が出てきて手渡すなど素早く提供できない限り、注文したホットコーヒーは冷めた状態で家に届くことになるでしょう。

なお、日本で「オンライン」よりも「ネット」という表現が好まれるのは、単にそのほうが言葉が少し短くて言いやすいからだと思います。

ショップ vs ストア vs サイト

「ネットショップ」の最も一般的な英語表現は online store だと説明しましたが、shop より store のほうが一般的な理由は何でしょうか? それは恐らく #1 「お店」の shop と store の違いは何? で説明したようにアメリカでは商品を仕入れてそのまま販売するお店を store と呼ぶのが普通で、イギリスでもアメリカの影響で品揃えが豊富な大型店には store を使う人の割合が増えているからだと思います。

一方、storeshop と呼ぶと違和感があるタイプの販売サイトであれば、日本でも「ショッピングサイト」と呼ぶように英語でも (online) shopping site と表現するのが普通です。例えば、楽天市場はサイト全体が (online) shopping site でサイト内の各店舗が (online) store と考えると分かりやすいと思います。どちらもインターネット上の買い物の話だと分かる状況では online を付ける必要はありません。

インターネット上のお店ではない「実店舗」は brick-and-mortar store/shopphysical store/shop と表現されますが、これも実店舗の話だと分かる状況では単に store/shop と表現するのが普通です(日本語でも「ネットとお店のどっちで買うのがお得?」のように単に「お店」と表現するのと同じです)。

Caio Triana / NegativeSpace.co

↑赤字続きでネットショップの経営に行き詰った男性。

前置詞は On, In, At?

ネットショッピングの歴史が浅いためか、ネイティブスピーカーの間でも「ネットショップで」と表現する場合に使う前置詞についての意見が異なり、oninat もインターネット上のお店には適切でないと言う人もいれば、inat であれば違和感はないと言う人もいます。

そのため、例えばネットショップで何かを買ったことを英語で伝えるときは "I bought it from an online store" のように from を使うか、「店」は説明せずに "I bought it online" (ネットで買った) とシンプルに表現するほうがいいでしょう。どうしてもこのように言い換えることができない場合は inat を使えばいいと思います。

以上、お役に立てる内容だったでしょうか?「ネットショップ」と「ネットスーパー」という日本語が多くのオンライン和英辞書に載り、訳語にも今回説明した最も一般的な表現が載ることを期待したいと思います。

「ネットコンビニ」なるものも存在していますが、これも同じく英語では online convenience store と表現するのがいいでしょう。インターネット上のお店はコンビニ以外もすべて24時間営業で便利なため、"convenience" という単語にやや違和感を感じますが。