#1 「お店」の shop と store の違いは何?

オンライン和英辞書や英語学習サイトの英語訳を訂正・修正・補足して解説する『Eiton English Vocablog』。
初回は今後何度か登場する「お店」の shop (ショップ) と store (ストア) の違いについてです。

注意 言葉は時代、状況、文脈などによって変化する場合があることを留意してお読みください。また、以下の内容はアメリカとイギリス以外の英語圏には該当しない場合があります。

Mike Petrucci / StockSnap.io

↑ガラスには "Shop" でその下の貼り紙には "Store Hours"(クリックで拡大可能)。shop と store の違いは一体何?


まず、shopstore の違いを説明したウェブサイトはどれくらいあるのでしょうか?

以下は今回調べた主なサイトをアルファベット順に並べたものです。

広告
shop と store の違いを説明した主なサイト
ABCアカデミー
akamist blog
違いがわかると英語がわかる
英語勉強忍者
英語冠詞の勉強部屋
英語にチャレンジする
英会話スクール比較ナビ
英単語の正しい使い分けを勉強してすっきり英会話
英トピ
話すための英語学習
ヘッチャラ英語学習
ヘンリーの楽英語
個別指導のP・E・N スタッフブログ
ネイティブイングリッシュ
ニコニコ大百科
日本語と英語をつなぐ/ウェブリブログ
OKWAVE
教えて!goo
ペラペラ部
ピンスポ ドットコム
STUDIO アニメで英語。たまに論文英語
ウェブミスト
Yahoo!知恵袋
※Google検索結果(キーワード:「shop と store の違い」)の1ページ目に表示されたサイトを中心に調べています(◎本日以降に該当ページの内容が更新されている可能性があります)。

ご覧のとおり、アメリカでの shopstore の違いに限定した内容だということが明確に書かれているサイトを除いてもこれだけの数になりました。この中の多くが分かりやすい説明をしており、とても細かい違いまで丁寧に説明しているものもありました。

一方、これらのサイトはアメリカでの違いに重点が置かれており、イギリスでの違いについて知っておくべき重要な点を説明しているものがありませんでしたので、以下ではその点やデパートについての説明も含め、この2つの国における shopstore の違いを分かりやすく説明します。

広告
広告

どこの国の英語?

まず、英語を教える立場の人は、自分が教える英語がどこの国の英語なのかを明確にする必要があると思います。なぜなら、どの英語圏の国でも使える「標準英語」というものはなく、単語、フレーズ、文法、発音、スペルなどが国によって異なる場合があるからです。

今回調べたサイトの中にはアメリカ(または北米)についての内容でありながら「アメリカ」という記載が一切ないものもありました。この場合、例えば英語を勉強してイギリス、オーストラリア、シンガポールなどに行こうと思っている人にとっては誤った情報となってしまう可能性があります。

そのため、アメリカ英語について説明する場合は「以下の内容はアメリカ以外の英語圏には該当しない場合があります」のような説明を事前にする必要があると思います。当ブログの内容はすべてアメリカ英語とイギリス英語に限定しており、その他の英語圏には該当しない場合があります。

Kotin / Shutterstock.com

↑当ブログの内容はアメリカ英語とイギリス英語に限定。

それでは、「お店」の意味で使われる shopstore の違いを見ていきましょう。

Shop と Store の違い

まず、以下の説明における「お店」はあくまで shop または store と呼べるタイプのお店に限り、日本語では「お店」と呼べても英語では shopstore とは呼ばないもの(バーや旅行代理店など)は含みません。

1. アメリカでの Shop と Store の違い

アメリカでの shopstore の違いについては先ほどのいくつかのサイトやその他のサイトが詳しく説明しています。そのため、ここでは最低限知っておきたい重要な点のみを取り上げて簡潔に定義したいと思います。

アメリカでは、加工などの作業をしたりその結果でき上がったものをその場で販売する次のような専門店は shop と呼ぶが、それ以外のお店は store と呼ぶのが普通。

  • 男性の散髪をする barber shop(理髪店/床屋)
  • コーヒーを入れて提供する coffee shop(珈琲店)
  • 自転車を修理・販売する bike shop(自転車屋)

shop には「作業場」、store には「保管場所」という意味があるため、作業(して販売)するお店は shop、仕入れた商品を倉庫に保管してそのまま販売するお店は store と考えると分かりやすいと思います。

なお、お店の規模については定義しませんでしたが、上のような業種は規模が小さくなるのが普通だと思います。そのようなお店を普段から目にすることが多いためか、アメリカ人の中には shop のことを単に「小さなお店」と説明する人もいます。

Nejron Photo / Shutterstock.com

↑「ここは store じゃなくて shop ですよね?」「2階もあって広いけど、売る以外にも修理とかいろいろやるからね」

2. イギリスでの Shop と Store の違い

では、謎と思われても仕方ないイギリスでの shopstore の違いもまずは簡潔に定義したいと思います。

イギリスでは、次のようにお店の種別/店名に store が含まれる場合でも、消費者にとってお店は基本的に shop。ただし品揃えが豊富な大型店は store と呼ぶほうが適切と感じる人が今では多い。

  • 多種の商品を専門の売り場に分けて販売する大型店の department store(デパート)
  • 日曜大工用品や園芸用品を販売する大型店の DIY store(ホームセンター)
  • "○○ store" と自称する食料品や日用品全般を販売する小さめのお店(コンビニ/雑貨店)

さて、アメリカと違ってイギリスでは shop は「販売店」、store は「保管場所」という考え方が基本です。そして「お店」という意味で store を使うのはアメリカの影響であり、イギリスでの shopstore の違いは実は次のような日本人同士の会話を使って説明することができます。

A君: ところで、先週から近所のドラッグストアでバイトしてるんだ。
B君: もしかして鼻ピアスの店長がいるあのお店?

この会話で注目すべき点はそのお店に鼻ピアスの店長がいることではなく、A君が「ドラッグストア」と言っているのにB君が「あのストア?」ではなく「あのお店?」と尋ねていることです。

お店の種別名である「ドラッグストア」はアメリカ英語の drugstore をカタカナにしたものですが、私たちは「あのドラッグストア」や「あのお店」と表現するのが普通で「あのストア」とは言いません。ただ、これは単に「ストア」というカタカナを単独で使うと何となく変な感じがするためで、例えばネイルサロンなどであれば「あのサロン」と言う日本人は普通にいるでしょう。

一方、イギリスではお店の種別名や店名が "○○ store" の場合でも、そのお店が小さければ多くの消費者はそれを "the store" ではなく "the shop" と表現します。ただ、その理由は日本のように「何となく(響きが)変だから」ではなく、人によって store は「アメリカみたいだから」「小さなお店に使う表現じゃないから」「倉庫の意味だから」などになります。

では、もう少し分かりやすくするために大型店と小型店に分けて説明していきます。

大型店の場合(イギリス)

イギリスでは、昔(20世紀初め)はお店で store という単語を使うのは department store (デパート) だけでした。大型店だから store と呼ばれたのではなく、単にお店側がアメリカの表現をそのまま使っただけで消費者にとってはデパートもあくまで「販売店」のため shop です。Oxford英英辞書やCollins英英辞書など、イギリスの英英辞書が department store のことを "a large shop" と説明しているのはこのためです。

その後、いつ頃か不明ですが他にも store という表現を使うお店が現れ、DIY store と呼ばれる「ホームセンター」も登場しました(これについては #3 「ホームセンター」は英語で何と言う? で説明します)。

デパートが多種の商品を販売する大型店だったためか、イギリスでは次第に品揃えが豊富な大型店を store と呼ぶほうが適切と感じるようになり、今では大型店を "the shop" ではなく "the store" と表現しても違和感はありません(次第に変化したということは、若い人のほうが store を使う傾向が高いということです)。

skeeze / Pixabay.com

↑かなり地味(?)だがイギリス最大の老舗高級デパートの Harrods も基本的には shop。

小型店の場合(イギリス)

では、小さいお店の場合はどうでしょうか? 例えば、アメリカ英語の drugstore は少なくとも今のところはイギリスでドラッグストアに対して使われていないようですが、町中にある食料品や日用品を売る小さなお店の corner shop は私たちも使うアメリカ英語の convenience store という表現を使う人が増えています。

ただ、たとえお店側が convenience storegeneral storebookstore のように自称していたり、ドアの貼り紙に "Store Hours" と書いてあったり店内アナウンスが "This store..." と説明していても、そのお店が小さければ多くの消費者(特にアメリカ化を嫌う人たち)にとってそのお店は shop であり、当然ながらそのお店を "the shop" と表現するのです。

Chris Jenner / Shutterstock.com

↑郵便窓口のあるこのような小さなお店は "stores" という表現を使うため、「この中に大型店がいくつもあるのか??」と勘違いしてはいけない。

デパート内に Shop/Store はある?

最後はデパート内のお店についてです。あの大きな建物の中にある1つ1つのお店を shopstore と呼ぶと説明しているサイトもありましたが、その1つ1つに入り口やレジがあってお店のように見えても、その中で働いている店員がデパートの従業員であればそれは shop/store ではなく department です。

「部門」などを意味するこの department という単語はデパートでは「売り場」を意味します。そして靴売り場や家電売り場、文房具売り場などの department で構成されているお店のため department store と呼ばれています。大型スーパーにもこれらの売り場はありますが、デパートは各売り場の専門性と値段が高いところが大きな違いだと思います。

なお、多くの独立したお店で構成されている建物はデパートではなく「ショッピングモール」で、アメリカでは (shopping) mall、イギリスでは shopping centre と呼ぶのが普通です。デパート内にもお店がテナントとして一部存在する場合がありますが、アメリカやイギリスではこのスタイルは比較的新しいため、そのお店を shop/store と呼ぶかは人によって違います(絶対にそう呼ばずに店名で呼ぶと言う人もいます)。

以上、お役に立てる内容だったでしょうか? 日本語の「お店」には英語の shop と store のような違いがないためこの2つの単語を使い分けるのはなかなか難しいと思います。

今回の内容を理解できた方は、イギリスで "○○ store" と自称する小さなお店を見かけても「イギリスなのにどうしてこんな小さなお店が "store" なの? 先生が言っていたことと違うじゃない!」と混乱してしまうことはないでしょう。

※次のタイプのお店についてはリンク先のページで詳しく説明しています。
#3 「ホームセンター」は英語で何と言う?
#13 「美容院」と「エステ」の英語は両方とも beauty salon?
#33 「ネットショップ」と「ネットスーパー」は英語で何と言う?
#37 「八百屋」の英語は本当に vegetable store や greengrocery?
#49 「薬局」や「ドラッグストア」は英語で何と言う?
#64 「スーパー (総合スーパー含む)」は英語で何と言う?
#91 「ファミレス」の英語は本当に family restaurant?

タイトルとURLをコピーしました