#200 『タンクトップ』と『ランニングシャツ』は英語で何と言う?

オンライン和英辞書や英語学習サイトの英語訳を訂正・修正・補足して解説する『Eiton English Vocablog』。記念すべき第200回は「タンクトップ」「ランニングシャツの英語についてです。

◆当ブログはアメリカ英語とイギリス英語が対象です。その他の英語では表現が違うことがありますのでご注意ください。

McKinsey / Rawpixel.com

↑「ねえ、どうして下着のまま来たのよ」「これ下着じゃなくてタンクトップなんだが...」


まず、オンライン和英辞書や英語学習サイトで「タンクトップ」「ランニングシャツ」はそれぞれどう英語に訳されているのでしょうか?

見つかった主な訳語とその訳語を載せた辞書・サイトをアルファベット順に記載します。

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「タンクトップ」
インターネット上の主な英語訳
1. singlet
2. tank (top)
3. vest

4. wife beater / wifebeater
「ランニングシャツ」
インターネット上の主な英語訳
1. athlete's shirt / athletic(-style) shirt(s)
2. running shirt
3. (running) vest
4. singlet
5. sleeveless (under)shirt
6. tank top
訳語を載せた辞書・サイト
bab.la(辞書)
CUERBO(辞書)
男子専科 official
DMM英会話なんてuKnow?
英語・英会話の情報ランド
英辞郎 on the WEB(辞書)

Glosbe(辞書)
goo(辞書)
HiNative
Ichacha.net(辞書)
Imagict(辞書)

実用・現代用語和英辞典(辞書)
Linguee(辞書)
Reverso Context(辞書)
Tricolor Language
Weblio(辞書)

WebSaru(辞書)
※主なオンライン和英辞書とGoogle検索結果(キーワード:「タンクトップ 英語」「ランニングシャツ 英語」)の1ページ目に表示されたサイトを中心に調べています(◎本日以降に該当ページの内容が更新されている可能性があります)。検索語単体の英語訳の正誤を確認するのが目的のため、検索語を含むフレーズや例文などは調べていません。

ご覧のとおり、いろいろな訳語が見つかりました。「タンクトップ」と「ランニングシャツ」のどちらにも singlettank topvest の3つが含まれていますが、これらの違いは一体何でしょうか?

以下では、今回調べた辞書・サイトが載せていなかった表現も含め、「タンクトップ」と「ランニングシャツ」の英語について分かりやすく説明します。

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「タンクトップ」と「ランニングシャツ」の違い

まず、「タンクトップ」と「ランニングシャツ」の違いを簡単に説明すると次のようになります。

タンクトップ
Tシャツの首の部分と袖~肩の部分を曲線で深めにカット(最低でも冒頭の写真の男性のシャツくらいの深さをカット)した肌に直接身に付ける服。パンツと違って下着ではないものの、下着としても着用可能。
ランニングシャツ (通称ランニング)
下着の意味では男性(特に中年)が着るタンクトップ型の白いシャツを意味するのが普通(女性の場合はこのタイプもタンクトップと呼ぶのが普通)。本物のランニング用のシャツの場合は半袖や長袖のものも含む(ランニング用に限らずタンクトップ型の運動着をランニングシャツと呼ぶほうが恐らく多い)。

なお、「下着」と似た言葉に「肌着」がありますが、以降の説明でも「下着」という言葉を使います(そのほうが「見られてほしくないもの」というニュアンスが感じられて今回の内容に合っていると思います)。

roxanawilliams1920 / Pixabay.com

↑ランニング用だから「ランニングシャツ」。でも走らないオッサンの白い下着でこの形のものもそう呼ばれる。

アメリカとイギリスではそれぞれ何と呼ぶ?

では、タンクトップとランニングシャツはアメリカとイギリスでそれぞれ何と呼ばれているのでしょうか? まずはアメリカの表現を簡単にまとめると次のようになります。

アメリカ
タンクトップ
: tank top (略称 tank) ※女性の場合は日本と同じく下着でもこの表現を使うのが普通。
ランニングシャツ (男性の下着): wife beater (スラング), A-shirt (主にメーカー側が使う表現)
ランニングシャツ (ランニング用): running shirt (袖ありも含む), running tank top (タンクトップ型)
ランニングシャツ (ランニング用に限らずタンクトップ型の運動着): athletic tank top

妻を殴り殺した男が白いランニングシャツを着ていたことが語源とされるスラングの wife(-)beater は酷い表現で、beater と略す人もいますがそれでも使わないのが無難です。一方、A-shirt (athletic shirt の略) は主にメーカー側が使う表現のため、残念ながら下着のランニングシャツだけを明確に意味する言葉で誰にでも通じるものはありません(説明的に tank(-style) undershirt のように表現することは可能)。

「袖なしの下着」を意味する sleeveless undershirt であれば普通に使えますが(「白色の」と言いたければ white を付ける)、この言葉は袖だけがないスタイルにも該当します。

Chanikarn Thongsupa / Rawpixel.com

↑これは sleeveless T-shirt (袖なしTシャツ)。sleeveless undershirt はこのスタイルの下着にも該当する言葉。

一方、イギリスではタンクトップを vest (ベスト) と呼ぶと説明している人もいますが、この言葉も上の写真のような袖だけがないスタイルにも該当します。

このイギリスの vest は少なくとも昔はアメリカの undershirt と同じく上半身用のあらゆる下着(袖あり含む)を意味する言葉だったはずですが、今は下着以外にも使われ、その場合はタンクトップなど袖なしのものを意味するのが普通だと思います。また、top (日本では1着でも複数形で「トップス」) はあらゆる上半身用の服に使える単語に思えるものの、少なくとも女性用の場合は下着以外のシャツを意味する印象があります。

そしてお店や人によってはアメリカ英語を真似してタンクトップを tank top と呼ぶことがあるため(特に女性用)、イギリスでの表現を簡単にまとめると次のようになります。

イギリス
タンクトップ: vest (top)*, sleeveless top*, tank top (これはアメリカの表現を使う人の場合)
ランニングシャツ (男性の下着): (sleeveless) vest*
ランニングシャツ (ランニング用): running shirt* (袖ありも含む), running vest* (袖なしのみ)
ランニングシャツ (ランニング用に限らずタンクトップ型の運動着): athletic vest*
*これらは袖だけがないものにも該当します(running/athletic vest は動きやすいよう普通はタンクトップ型のはず)。

このようにイギリスではタンクトップもランニングシャツも単に vest と呼ぶのが普通で、しかも袖だけがないスタイルと肩の部分までカットされているタンクトップ型をわざわざ区別して表現しないのが普通です。

なお、面倒なことにイギリスでは1970年代に流行ったニットベスト(袖なしセーター)を tank top と呼んでいたため(アメリカでは sweater vest)、今でも tank top といえばそれを思い浮かべる人が多くいます。

Deflector Image / Shutterstock.com

↑vest ではなく tank top を着ている人(シャツの下には vest を着ているかもしれませんが)。

Singlet とは?

最後は、今回見つかった主な訳語で残された singlet についてです。

この singlet はオーストラリアなどではタンクトップを意味するようですが、アメリカとイギリスではレスリングの選手などが着る上下一体型(上はタンクトップ型で下は普通は膝よりも上の長さ)のユニフォームを意味します(ただしイギリスでは20世紀後半に下着のランニングシャツの意味で使われていたようです)。

トライアスロン(長距離走を含む3つの競技を連続して行うスポーツ)でもこの上下一体型のユニフォームがありますが、ランナーの間では singlet はこのような上下一体型のユニフォームを意味すると言う人もいれば、タンクトップよりカットが浅いレース用のシャツを意味すると言う人もいます。

以上、お役に立てる内容だったでしょうか? これで「タンクトップ」と「ランニングシャツ」の英語表現の違いが分かりやすくなったかもしれません。

先ほど書いたとおり日本では上半身用の服は1着でも複数形で「トップス」と呼びますので、タンクトップも「タンクトップス」と呼ぶのが筋だと言えるでしょう...

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